太陽に最も近い惑星の水星で、日の当たらないクレーターの奥に大量の氷が存在していることを突き止めたと、米航空宇宙局(NASA)の研究チームが30日、米科学誌サイエンスに発表した。

探査機メッセンジャーが観測した水星の北極。着色された部分は、永久に日の当たらない場所
水星を周回する探査機メッセンジャーの観測データを分析した。氷は20年近く前から地球上の電波望遠鏡による観測で存在の可能性が指摘されていたが確証が得られたのは初という。
NASAによると、水星の赤道付近の温度は日中400度以上になる一方、自転軸が傾いていないため北極や南極のクレーターには永久に日陰の部分があり、氷が存在できる。研究チームは、探査機の3種類の観測データから両極に存在する氷の量は計1千億~1兆トンに上ると見積もった。
水分は過去に衝突した隕石や彗星に含まれていたらしい。生命は存在しないとみられるが、チームは「ほかの惑星で生命が存在し得る条件を探るのに役立つ」としている。
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