
「電飾ぴっかぴか。これはアレだ、ラブホテルの浴室とかにあるやつだ……」そう連想する気持ちはとてもよくわかる。だがどうやら、とても真面目な動機で作られたものらしい。
この『ジャグジートレーラー(ルーメット・ジャグジー仕様車)』を製作したのは、神奈川県の特装車ビルダー「クロコアートファクトリー」。同社が手掛ける牽引式トレーラー『ルーメット(Roomette)』シリーズにジャグジー風呂と汚水浄化システムを組み込んで「ジャパンキャンピングカーショー2018」に持ち込んでいるのだ。
被災地の風呂・トイレ事情を解決するため

実はこの車両、震災などの被災地における入浴問題を解決すべく作られたのだという。避難所などの仮設浴場は落ち着いてゆっくり入浴することがなかなか難しい。しかも大量の水を必要とするといった問題もある。

汚水浄化システムの一部。これらのフィルターを通して原水が浄化されていく。

しかし、このトレーラーであれば、ハッチを閉じてしまえばプライバシーは確保されるし、搭載された汚水浄化システムは、川の水や雨水などから飲用に耐えられる浄水が得られる高性能なもの。当然ながらクルマで牽引しての移動も容易だ。
冗談めかした電飾やシャンパンのディスプレイで飾り付けられてはいるが、いたって真面目なコンセプトのもとに作られたトレーラーなのだ。

ちなみに同社はトイレ仕様トレーラーも製作していて、やはり屋外や被災地の仮設トイレに抵抗がある女性のため「より広々とした」「清潔な」屋外トイレをイメージしているのだという。ジャグジー仕様よりは簡素だが、やはりこちらの車両にも汚水浄化システムが組み込まれている。
夢の“プライベート露天風呂”を実現できるかも

ちなみに、展示車の各種設備や電飾を動作させるための電力は、コラボレーション出展している原田車両設計株式会社の後付け外部給電システム「ライフプラグ」から供給していた。この給電システムは最大出力が1500Wにもなり、停電時でも炊飯器と電気ポットを同時稼働させるほどのパワーを有するとのこと。

それぞれ災害時への備えとして有用性が高そうな製品だが、平時でもレジャー用途で活用してみたいものだ。たとえば『ジャグジートレーラー』なら、見晴らしのいいところに運んで行くだけでプライベート露天風呂のできあがり。このトレーラー以外に必要なものは、ハッチ全開で入浴する度胸だけだろう。
ベースとなる『ルーメット』の販売価格は、外装寸法3590mmのショートモデル・標準仕様で198万円から。ジャグジーやトイレ仕様については、別途クロコアートファクトリーまで問い合わせてみてほしい。実物の車両は、2018年2月2日から4日まで開催された。
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