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情報時代だからこそ、脳には休息時間が必要

 
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トレーニングをはじめてすぐのころは、身体の限界に挑戦したくなるかもしれません。でも、問題はトレーニングのハードさではありません。それよりも、不健康な習慣をやめられないことが問題です。たとえば、乱れた食生活や睡眠不足、回復時間を十分に取れないことにこそ、問題があるのです。それは、脳にも、筋肉と同じことが言えます。

起業家である私は、1日10〜12時間、それ以上の時間を職場で働いています。帰宅後も残った仕事をすることがあります。そして、寝る前にはメールやSNSのメッセージに返信します。働き過ぎなのは明らかです。

次に、ニュースやテレビを見ます。そして2時間ほど眠り、食事を流し込むことの繰り返し。これぞ、情報時代の生き方です。実際、1986年に比べると、私たちは1日当たり5倍の情報を受けているそうです。

私たちが不安やストレスに苦しめられるのは無理もありません。米国だけで、4000万人もの大人が不安障害に苦しめられていると言われています。不安は、米国でもっとも一般的な精神疾患でもあります。

これは進化なのか?

人間の脳は、マラソンを走るようにはできていません。それと同じで、1日の大半をスマートフォンの通知や刺激を受けて過ごすようにはできていません。何百万年前の人類の生活を想像してみましょう。狩りや集会ぐらいしかやることがなく、誰もがもっとゆっくりとしたペースで動いていたはずです。このようなスローな生活は、脳と身体がリラックスし、再充電する時間をもたらしていたでしょう。

さらに、太陽と自然のリズムに従って生きていたはずです。そのため、サーカディアンリズム(24時間周期のリズム)にも適応できていたと考えられます。現代の私たちは、24時間365日戦わなければなりません。仕事と家庭、さらには常時接続社会に追われているので、睡眠不足の人が増えるのは当然なのです。

脳にも休息の時間を

睡眠を十分に取ることで、集中力、生産性、健康が高まります。でも、それは氷山の一角に過ぎません。ロチェスター大学で研究に携わったMaiken Nedergaard氏は「なぜ私たちは眠るのか、その理由を発見した気がします。私たちは、脳をきれいにするために眠るのです」と述べています。

Nedergaard氏らの研究チームは、マウスの脳細胞の間の空白が、眠っているときは60%増えているのを発見しました。これにより、脳内の脳脊髄液が、起きているときの10倍の速度で流れます。

また、夜に十分な睡眠を取るだけでなく、1日を通してテクノロジーから離れる時間が必要です。脳は、90〜120分しか集中力を維持できないのです。これは、私たちの睡眠中や覚醒中に存在するウルトラディアンリズムによるものです。

世界の偉大なバイオリニストを対象にした有名な研究があります。音楽の練習に関して、Nedergaard氏のマウスを使った研究と同様の結果が得られています。バイオリニストたちは、1回90分の練習を3回、途中に休憩をはさんで実施していました。

シリコンバレーの企業は、ビジネスにおけるこの「パフォーマンス改善」コンセプトを理解しており、同じアプローチを業務に取り入れています。伝統的な8時間の労働時間を柔軟にし、社員が90分単位でタスクに取り掛かることを奨励しているのです。成果は、そのうちわかるでしょう。

クリエイティブかつ戦略的に複雑な課題をもっとたくさん取り扱いたかったら、休息の時間が必要です。それによりストレスが軽減され、脳のパフォーマンスだけでなく、全体的な健康にもいい影響があるでしょう。



脳の休息時間を

そんな時間なんてないと思うかもしれません。でも、キャリアのためにも、もっと大事な健康のためにも、脳の休息時間を取る必要があるのです。そこで、日々のルーチンに取り込める、シンプルなハックをいくつか紹介しましょう。

1. 外に出る
外出すると脳のさまざまな領域が活性化することが研究で示されています。また、日に当たるとビタミンDとセロトニンが増えます。どちらも、気分を高める効果があります。

2. 好きなことをする
水泳、読書、執筆など、何でもいいので、自分の気分がよくなることをすることで、全体的な幸福度が高まり、脳にとって再充電の機会になります。

3. 動く
運動は、身体だけでなく、脳にもいい効果があります。散歩に出る、階段を使う、5〜10分程度のヨガをする、腕立て伏せをする、跳躍運動をするなど、何でもいいのでやってみましょう。

4. 瞑想
瞑想は、“理性脳”とも言われる前頭葉を活性化します。同時に、“恐怖センター”と呼ばれる偏桃体の活動を鈍化させます。

5. 昼寝
医師のSarah McKayさんは、「The neurobiology of the afternoon nap」という記事において、短い昼寝は眠気を減らし、認知機能を強化し、短期記憶と気分を高めると述べています。

6. 何もしない
2分程度、何もせずに心をさまよわせるぐらいのことはしてもいいんです。文字通り何もしないことで、生産性が高まり課題解決が進むことも。

7. 妄想する
完全に何も考えないことが難しければ、リラックスできる楽しいことを視覚的に想像してみてください。驚くなかれ、脳にとっては、実際のビーチでくつろぐことと視覚的想像の間に違いはありません。

8. テクノロジーから離れる
1日を通して、テクノロジーから離れられる時間を見つけてください。スマホから10分遠ざかるだけで、大きな違いが得られることも。夜寝る前には、スマホをサイレントモードにしてどこかに置き、コンピューターとテレビの電源を切りましょう。週末には仕事関係のメールや電話には対応しないようにしたいものです。

バケーションを取る

脳の休息を日常生活に取り込み、毎晩ぐっすり眠ることが基本ですが、それだけでは不十分です。何せ、脳は本来よりも高速で働かされているのですから。

Sean D'Souza氏は、「PsychoTactics」にこう書いています。

私たちは何年か、休みを取りませんでした。長期休暇も一切取りませんでした。そして毎年、一生懸命に働いたにもかかわらず、収入は減りました。

その理由はシンプルです。長期休暇や週末の休みが近づいていると思うだけで、仕事の効率が上がるから。5日間で、7日分の仕事が進むのです。

休みなく働いても効率が悪く、7日間で7日分の仕事をするだけです。

そして7日後、リラックスして再充電済みの人よりも、スタートが遅れてしまうのです。

リーダーシップ開発コンサルタント「Zenger/Folkman」のJack Zenger CEOも、「HBR」の記事で同じことを述べています。

ある調査において、2310人の回答者のうち有給休暇取得日数の多い20カ国(247人)のデータと、米国(1151人)のデータを比較しました。

20カ国とは、28日の有給休暇が割り当てられているオーストラリアから、41日のスウェーデン、ブラジルなどです。

一方米国は、法定の有給休暇はなく、平均的なフルタイムワーカーは10日間の有給休暇が割り当てられていました(別の調査によると、使い切っているのはわずか25%)。

ただし、休暇が多いからといってストレスが低いわけではないようです。休暇の多い回答者の26%が圧倒されていると答えたのに対し、米国の回答者は23%でした。それでも、生産性には違いが見られました。Zenger氏はこう付け加えています。

休みを取るメリットは、脳をリフレッシュし生産性を高めるだけではありません。単純にデスクにいる時間を減らすことで、時間の無駄を減らすことにもつながるのです。

数々の研究で、脳の集中力には限界があり、休息が必要であることが示されています。休息なしで脳の過負荷状態が続くと、仕事の業績以外にも深刻な影響が出るでしょう。ですから、プライドを捨てて、休みを取ってください。脳にはその資格があるし、何よりもそうすることが必要なのです。




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