
いつかはRONIN……ブレない男を目指していた時期が俺にもありました。
動画撮影時のあらゆるブレを軽減し、映像を安定させてくれるスタビライザー(ジンバル)。最近では選択肢が増えてきて、一般向けではカメラとスタビライザーを一体化した『Osmo+(オズモプラス)』なんて製品も登場しています(関連記事)。
この『Osmo+』を製造するのはドローンメーカーとして名の知られるDJIですが、実は数多くのスタビライザーを世に送り出しています。“ドローンでブレない映像を撮影するために”ってことでしょうかね。そんなDJIから発表されたのが、映画撮影にも使われるプロ向けスタビライザーの新モデル『Ronin 2』。2017年6月頃に発売され、価格は製品出荷時に発表されるとのこと。
『Ronin 2』はカメラを取り付けるスタビライザーを中心に、モニターなどの装着部分としても利用するフレームがぐるっと一周するような設計。個人向けの製品でこの形状のものを見ることはほとんどないと思いますが、映画やコマーシャル、テレビ番組などのプロ向け撮影で広く活躍しています。
プロの要求に応える高いスペック
見た目的にはインパクトがあるものの、構造的には3軸式のスタビライザーとなる『Ronin 2』。本体にはカーボンファイバー・フレームを採用することで、軽量かつ高耐久性を実現しながらも、なんと最大13.6kgまでのカメラやレンズの搭載が可能となっています。気になるスタビライザーとしての安定性能は、内蔵GPSと、移動方向や移動量、角度を検出するしてくれるエンコーダ付きモータにより、時速120kmでの移動というハードなシチュエーションでも、カメラを0.02度単位で精密に保持できるというのだから驚きです。
クルマから、ケーブル、ドローンへのマウントにも対応

さまざまな利用シーンが想定されているのもプロ向けならではといったところ。手持ち撮影はもちろんですが、新設計の取り外し可能なグリップを備えており、撮影者の体に装着したり、ワイヤーに装着したり、クルマに搭載したり、さらにはクレーンやドローンへ装着したりと多彩なマウントが可能です。また、折りたたみ式の脚が本体下部に用意されているので、地面に直接置くこともできちゃいます。
カメラを含めたトータル運用が可能

プロ向けの製品なので当然と言えば当然かもしれませんが、カメラ込みで電源管理を行えるというのも『Ronin 2』の特徴です。ホットスワップ対応のバッテリーが2つ搭載可能で、本体には計7つのDC出力(カメラケージ部:14.4V×4、パンモータ部:12.6V×2、バッテリーマウント部:P-Tap 12.6V×1)を装備。カメラへの電源供給が行えます。
従来モデルと比べてカメラケージが拡大されているため、一眼レフから映像撮影用のカメラ/レンズが利用可能となっています。今のところ互換性があるとされているカメラは『RED Dragon』『ARRI Alexa Mini』『Black Magic Ursa Mini』『Canon C300』『Sony FS7』など。プロ向けながら、セットアップが本体内蔵ディスプレイだけでなく、スマホアプリからも行えるのは今どきな印象ですね。
製品情報ページでは『Ronin 2』で撮影したショートフィルムが公開されているので、どれほどブレないのかはそちらをご覧ください。プロ向けとなる本製品、個人で購入することはないかもしれませんが、近い将来目にするテレビ番組やコマーシャル、それに映画がこの『Ronin 2』を使って撮影されたものかもしれませんよ?
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