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光速の5分の1、史上最速の宇宙ヨットで恒星へ


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シリコンバレーの大富豪の資金援助によって、太陽系に最も近い恒星ケンタウルス座アルファ星に探査機を送り込む「ブレークスルー・スターショット」という計画が持ち上がっている。聞き慣れない名前の星だが、南半球に行って夜空を見上げればすぐわかる。南十字星の比較的近くにある、ひときわ明るく輝いている星だ。

■太陽光を利用する帆船型

 太陽系の隣の星といっても、光が宇宙空間を時速約11億キロメートルで走って4年以上かかる。文字通り天文学的な距離だ。火星や木星などを調べる従来型の探査機では何百年かかってもたどり着けない。これまでとは根本から違った設計思想で探査機を作る必要がある。

 計画によると、探査機の本体は指でつまめるほど小さなコンピューターチップ。これに一辺が4メートルの正方形の帆を取り付ける。帆の一方の側は反射膜になっていて、地上から強力なレーザー光を当てて反射させることによって推進力を得て光速の20%まで加速する。このタイプの宇宙船を宇宙ヨットという。風を受けて走るヨットになぞらえた名前だ。この人類史上最速の探査機なら、約20年でケンタウルス座アルファ星に到達できる。

 巨額の費用が調達できて開発も順調に進んだとして、宇宙に飛び立つのは2040年代半ばになるが、その手本となる宇宙船はすでに2010年に地球を出発、太陽光を帆に受け、はるか彼方(かなた)の惑星間空間を現在も加速を続けつつ航行している。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が建造した宇宙ヨット「イカロス」だ。イカロスはブレークスルー・スターショット計画の技術開発のいわば出発点になる。

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有力な探査候補地も浮かび上がってきた。ケンタウルス座アルファ星は肉眼では単独星のように見えるが、実は連星だ。さらにこの連星は、少し離れたところにある肉眼で見えないほど暗い赤色矮(わい)星プロキシマ・ケンタウリとも重力的に結びついていて、全体として三重連星を構成している。この赤色矮星に、地球に近いサイズの岩石惑星とみられる惑星が昨夏、見つかった。しかもこの惑星の公転軌道は惑星表面で水が液体の状態を保てる程度の領域に入っており、生命を宿しうる可能性がある。

 天才物理学者のホーキング博士らビッグネームも顧問に名を連ねるこの計画、本当に実現するのだろうか? 多くの専門家は見込み薄とみるが、実にエキサイティングな構想であることは事実だ。




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