
国立天文台は、愛媛大学の研究者を中心とする研究チームは、100億光年彼方の宇宙で、「星の生成が止まりつつある」銀河を発見したと発表した。
天の川銀河のような銀河は、138億年前の宇宙誕生後数億年が経過した頃に誕生した。宇宙の年齢が20から30億歳の頃、銀河では爆発的に星が生まれ、その後は星を作らずに静かに進化してきたことが明らかになっている。ただ、星の生成が止まった理由は明らかになっていない。
研究チームは、100億光年彼方の宇宙で、これまでにない大規模な輝線銀河を探査した結果、「まさに星の生成が止まりつつある」銀河を発見した。すばる望遠鏡による、広域輝線銀河探査の大きな成果となった。
星生成が止まるタイムスケールを評価してみると、わずか数千万年であることが判明した。銀河の年齢は約130億歳で、それに比べると星生成の停止は一瞬の出来事。今回の発見で、銀河の初期進化の全貌が見えてきたとしている。
今回の研究成果は9月9日に甲南大学で行われた日本天文学会秋季年会で発表された。
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